この冬一番寒い朝

今週末は首都圏など南部で雪が降り、雪雲が北上を続けています。ここでは夕方から風が強くなって雪が降り始めました。

月曜日の朝にはここでは気温が-31.7度まで下がりました。そこまで下がるのは年に1度くらい。そんな時に出かける用事があり、完全武装で外出しました。

上の写真は東フィンランド大学の建物です。寒い時って、なんて言ったら良いのか、空気が張りつめているような感じがします。煙や水蒸気は凍ったようにとても動きがゆっくり。光の加減も違って見えます。私の目には、ですが。

外出した時は-30度。すぐに鼻の中が凍ってくっつく感じがし、コートのフードを被らないと寒さで頭が痛くなりました。雪を踏みしめると発泡スチロールが触れ合った時のような神経に障る音が。普通に呼吸すると喉をやられるのでマフラーを口を覆うのですが、そうするとメガネが呼気で凍り始めるので難しい選択をしなければなりません。私の場合は間をとって、時々メガネを外しながら歩きます。

ここまで冷える日にはどんな服装で外出するのか。友人が送ってくれたヒートテックの極暖シャツにコットンのタートルネック、ウールのセーターを着て膝丈のダウンコートを着ます。下はジーンズにダウンパンツ、風を防ぐパンツを履きます。厚手の靴下に内ボアのブーツ、ダウンミトンに毛糸の帽子で装備完了。

バスの中は暖かかったんですが、床の雪がとけていませんでした。外気で冷えて床が氷点下ってことですね。

上の写真の車の左側に装置が見えますが、寒さが厳しい日には、車を運転する約2時間前からこの装置と車をコードでつないで直接エンジンを温めるそうです。

これは別な日にとった写真ですが、道路工事をする場合はまずヒーターで氷をとかしてからになります。夫の友人が配管工として建設現場で働いているのですが、だいたい-20度より寒くなると人は動くけど機械が動かなくなると言っていました。なのでそんな時には持ち場によっては仕事がお休みになるそうです。

こちらはスヴァント橋。1974年に完成、長さは542m。常に強い風が吹き付ける場所なのですが、冬には氷が刺さるような寒さになります。橋を渡る学生の間では「シベリアシュミレーター」と呼ばれ、恐れられているそうです。

こんな厳寒でも若い女の子たちはびっくりするくらい薄着なんです。ちょうど上の写真のマネキンのように。お尻が隠れる丈のコートにぺらっとしたレギンス、ブーツを履いている子もいますが、普通のスニーカーを履いて足首が出ている子もいます。そういえば、フィンランド語学校で同じクラスだった南米出身の女の子が、-15度の日にうっかりフィンランド人の子のような服装をしてきてしまい、バスに乗れば良かったのに家まで1時間近くかけて歩いて帰ったために太ももが凍傷になったなんてことがありました。フィンランド人の真似をすると危険です。

指先をちょこっとなめて金属にサッと触れたら一瞬くっつきました。こういうスリルを楽しむ危険な遊びは子供たちの前ではしてはいけませんね。

寒くなると道路に積もった雪の表面が乾くので、歩いても滑りにくくなるんです。それを良いことにまた街中のアパートと郊外の一戸建てを行き来し始めた義父母。めまいを起こしやすい義父が外で倒れたら命に関わるわけですが、それでも一戸建てで過ごしたいんですね。

1度-30度を経験すると、-20度が暖かく感じてしまうのですが、そう感じるだけできっと体は日本人仕様のままのはず。調子こかずにしっかり着込んで外出します。

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