変わったお釣りの計算方法

日本だと98円の商品を買って100円で支払ったら2円のお釣りが来ますが、フィンランドではちょっと勝手が違います。そんなことについて。

これは私が買い物した時のレシートです。売り場ではワイン1本9.99ユーロと表示されていました。でもレジでお会計をした時に、店員さんが「10ユーロです。」と言いました。なぜでしょうか?

フィンランドの通貨はユーロで、ユーロには1セント、2セント硬貨があって通貨として認められているものの実際には使わないんです。でも3.99ユーロ、5.32ユーロなどという商品が普通にあります。どうするかというと、現金で支払う場合は小数点第2位で調整するんです。四捨五入ならぬ二捨三入、七捨八入で、最も近い5の倍数に丸めるんです。端数が1か2の場合は切り捨てて「0」、3か4の場合は切り上げて「5」にする。これはスウェディッシュ・ラウンディングと呼ばれているそうです。こんな計算方法があるとは知りませんでした。

フィンランドでは1、2セント硬貨を使わないと日本の友人に話したら、「えー、フィンランドってそんなにざっくりなの? まぁ、手間が省けて合理的なのかな。」と言っていました。たしかに支払う時に小銭を探す手間は省けますよね。日本だったら1円硬貨を使わない感じでしょうか。

スウェディッシュ・ラウンド(二捨三入、七捨八入)だとこうなります。

9.98 – 9.99 ユーロ → 10.00 ユーロ
9.96 – 9.97 ユーロ →   9.95 ユーロ
9.93 – 9.94 ユーロ →   9.95 ユーロ
9.91 – 9.92 ユーロ →   9.90 ユーロ

これを知らないと多く取られたとか、お釣りが間違っているとか思ってしまいそうです。フィンランドの店員さんがお釣りをごまかすことはないだろうと信用してろくに確認もしていなかったので、移住して2か月はこの仕組みに気づきませんでした。そしていつもデビットカード払いのため、つい先月までスウェディッシュ・ラウンドではなく四捨五入だと思っていました。無頓着さがばればれですね。

話はお会計に戻りますが、店員さんはお会計の時は現金払いの場合の金額を言い、レジには現金払いの金額が表示されます。上のワインの例の場合は9.99ユーロが繰り上がって10ユーロです。現金 (KÄTEINEN) で支払ったので合計 (YHTEENSÄ) 10ユーロになっています。もしカードで払っていた場合はそのままの金額、9.99ユーロになります。

ユーロ圏では他にベルギー、オランダ、スイスなどもスウェディッシュ・ラウンドを採用しているそうですが。当のスウェーデンはもうこの方式を使っていないそうです。

買い物一つにしても国が違えば勝手が違うものですね。

読んでいただいてありがとうございました。

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